新聞の右隅に書いてある「●版」とは?

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一般紙やスポーツ紙を読んでいると、よくわからない記号が書いてあることがありますよね。特にページの番号の隣に書いてある「●版」。これって、何を意味しているのかご存知ですか。

版とは、簡単にいうと新聞が作られた時間帯のことです。今回は、新聞記者を志望している方は参考になる話になるでしょう。

新聞制作には締め切り時間がある

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新聞制作の締め切り時間は全て同じではなく、各社によってまちまちで秘密とされています。

回数も少ないところでは1回、多いところでは3回くらい設定しているのではないでしょうか。

新聞は通常、電車やトラックで運ぶため、運ぶのに時間がかかることは何となく想像できるでしょう。よって、朝にみなさんが起きる時間帯に新聞が手元に届いているようにするには、紙面を作る新聞社の本社や印刷工場から遠ければ遠いほど、締め切りを早く設定しないといけませんよね。

そこで、新聞各社は「●県に朝刊を時間通り届けるには、●回目の締め切りに間に合わせなければいけない」などと逆算して締め切り時間を設定しているのです。

原稿を送る、手直し、紙面に割り付け、校閲

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そうなると、記者は締め切り時間までに原稿を書いて送らなければいけないという話になりますが、締め切り時間の1秒前までに原稿を送ればよいという話ではありません。

締め切りまでに紙面を完成させるには、記者が送った原稿をデスクが受け取って手直しをして、それを編集(整理部)に渡して、紙面に組み付けて見出しをつけます。そこから刷りを出して校閲のチェックが入り、全体で記事や見出し、レイアウトにおかしな点がないかをチェックする。そうなると、記者の原稿締め切り時間はもっともっと早くなることは理解できるでしょう。

締め切り時間が早いということは、締め切り後に飛び込んできたニュースは入らないということになります。つまり、締め切り時間が遅ければ遅いほど最新のニュースを入れることができるというわけですね。

同じ価格なのに紙面の質に差が出ている

同じ価格なら最新のニュースが入った新聞のほうがうれしいでしょうし、レイアウトや見出しなども練りに練った完成形に近い紙面のほうが見応えがあるでしょう。

何が言いたいのかというと、読者となっている新聞社の本社に近ければ近いほど、最新の新聞が読めるということです。

もし東京にお住まいなら、全国紙は東京で紙面を作っているので、いずれも最新のニュースが入った新聞を読むことができるでしょう。

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一方、東京や大阪以外の地方にお住まいの方は、全国紙を読みたいという方でなければ、 地元が本社の新聞をとることをおすすめします。先に述べた通り、輸送にかかる時間の分だけ、締め切りが早くニュースが遅れているのです。

版制にまつわるデスクと読者のやりとり

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記事を書いていた昔、かつて勤めていた全国紙に青森の読者から苦情の電話がかかってきて、運動部のデスクが対応していたのを思い出しました。

電話主(以下、主)「プロ野球の結果が毎日中途半端にしか入っていないのはなぜだ」

デスク(デ)「締め切り時間の段階ではまだ終わっていなかったんですよ」

主「地元の県紙は全部載ってるぞ」

デ「そう言われましても…」

主「これなら地元紙をとった方がいいってことじゃねえか」

デ「地元紙の記事は地元の話題以外はほぼ全て通信社の記事が使われています。各社で使い回されている記事と、自社の記者が署名付きで書いている記事。どちらを読みたいかということになりますよね」

翌朝の新聞に野球の結果が載らないことも

Unsplash / Pixabay

購読者とデスクのやりとりは、どちらの言い分も正しいといえます。これは、遠くの地方には締め切りが早い新聞が届くがゆえに起こりうることなのです。

ネットで一球ごとの成績がわかるほど速報性が発達している現在で、翌朝になっても場合によっては試合の結果が載っていない新聞なんて売り物になるんですかね。

地元の情報に加えて最新情報も見たいのなら地元紙、通信社の記事になるべく頼らない自社の独自原稿をたくさん読みたい方は全国紙ということになります。朝日新聞や読売新聞は2017年現在、通信社にほとんど頼らず自前で記事を書いています。

全国紙と地方紙の性格を併せ持つブロック紙

地方で新聞をとっている方は、全国紙よりも地元紙をとる傾向にあります。全国紙記者の署名記事よりも地元の情報を読みたいんでしょうね。中にはブロック紙(中日新聞など)のように全国紙と地元紙の性格を両方併せ持つ新聞も存在します。

版制の表記は各社さまざまなので、お住まいの地元の新聞だけでなく、各地に出かけてみたら版を気にして紙面を眺めて、締め切りが早いか遅かったのかを想像しながら読んでみると新聞も一味違う視点で見えてくるのかもしれません。

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新聞の版制

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ABOUTこの記事をかいた人

新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。