最適な見出しの数

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(追記:2017年4月12日にリライト済み)

新聞のレイアウトの話に行く前に、新聞を作る上で書いておかなければならない見出しのお話を忘れていました。
それは、見出しの数です。文字数の話ではなく本数の問題です。

見出しの数をしぼった結婚新聞

見出しの数をしぼることでレイアウトはすっきり、スタイリッシュな印象を見せることができる(2015年1月の一般紙風結婚新聞)

記事の意図を正しく理解するための「新聞見出し」

おさらいになりますが、見出しというのは、前回のコラムでもお話した通り、新聞を隅から隅まで読む時間のない方が、見出しを見て「この記事が言いたいことはこんなことなんだな」と理解するためのツールだと解釈してください。

それは、テレビのテロップや、さまざまな意味で「ギリギリ」の言葉づかいをする週刊誌の見出しとは性格の異なる世界だと思います。中身を読んでもうためのキャッチコピー的な意味合いでは一緒です。

見出しは多いほどゴチャゴチャな印象に

本題に戻りましょう。
見出しで記事をよく読まなくても読者に記事の意図を正確に伝えるのは簡単なことなのです。ある一つの条件を捨ててしまえば、ですが。

その条件こそ、見出しの本数なのです。見出しの数が多ければ当然、伝える内容が多くなります。
しかし、見出しの数が多くなるにつれて、ある問題が発生してしまいます。

それは、「紙面がゴチャゴチャしてしまう」という問題です。

先日、会社の地方版の紙面を見ていたら、「なんじゃこりゃ」という紙面(囲み記事)を見かけました。

何が大事で、何が要らない情報なのか

記憶によると「◯×県◯×市の高校1年、◯◯××さんが、情報処理(プログラミング)の全国大会に出る」という記事でした。それについた最も大きい見出しは「情報処理の国際大会目指す」。2番目に大きい見出しは取材対象者の名前と所属高校、3番目は「全国大会に出場」、4番目は「独学で習得、準備は着々……」。

この紙面の一番の問題点は「見出しの本数を精査できていない」という点にあります。つまり、何が大事な情報で何が要らないのかが整理できていないのです。

見出しはどこまで減らせるのか

私なら、まずトップは「情報処理技術 全国出場へ」と無難にとります。次に名前と学校名、3番目にとるなら「独学習得 視線は海外に」とつけましょうか。

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紙面化されたもの
(1番手)情報処理の国際大会目指す
(2番手)名前と所属高校
(3番手)全国大会に出場
(4番手)独学で習得、準備は着々

私の案
(1番手)情報処理技術 全国と対決
(2番手)名前と所属高校
(3番手)独学習得 視線は海外に

いかがでしょうか。私の案のほうが1本、見出しを減らすことができていますし、文字数の減量にも成功しました。

私が思うには、記事が一番伝えたいことは最初に登場した「高校生がプログラミングの全国大会に出場する」という点だと思うのです。海外に思いをはせるのも結構なのですが、苦労してつかんだのは全国大会なので、まずはそこをトップに持って行くべきでしょう。

「情報処理の国際大会目指す」というのも見出しとしては冗漫です。あくまで目標なので海外に目を向けているよ、というくらいの表現が良いのではないでしょうか。

最後の要素を削ってみれば一目瞭然

試しに、それぞれの見出しの最後につけた見出しを削ってみましょう。

紙面化された見出しなら「(4番手)独学で習得、準備は着々」、私案は「(3番手)独学習得 視線は海外に」ですね。

紙面化されたものを見出し読みすると、「情報処理の国際大会出場を目指して、高校生が全国出場する」という意図になるでしょう。

一方で、私案は「情報処理技術の全国大会に出場する高校生がいますよ」。どちらがシンプルに概要をとらえているかは一目瞭然です。

見出しを”ダイエット”する

見出しを多くつけたいという記者の思いは、「記事が主張したい内容の伝え漏れを防ぎたい」という思いから来るものです。しかし、あの要素もとりたい、この要素も欠かせないと考えるうちに本数は膨らんでゆく一方です。気づいたら小さいコーナーの中で、記事量よりも見出しのほうが面積が大きかったなんてこともありえます。

新聞の紙面の傾向から、見出しはどんどん削減される傾向にあるようです。見出しの無駄なぜい肉をそぎ落として、より簡潔に、よりひねりの効いた見出しが求められます。

今まで書いてきたことは、新聞のニュースだけでなく、結婚新聞のような一般向け新聞でも同じことが言えます。

ネットでは、新聞のルールをよく知らない方が「新聞っぽく作ろう」と頑張っているようですが、一本の見出しがあまりにも長すぎたり、多すぎたりしているのをよく見かけます。これでは、何回作っても本物のクオリティには近づくことができません。

ここで、私からの提案です。この記事をご覧になっているあなたが新聞を作る際には、一つの記事に対してつける見出しは「3本」を限度にしてみてはいかがでしょうか。経験上、大きな記事に見出しをつける時は1本だけでは物足りず、3本を超えると冗漫だなと思えてきます(もちろん例外もあります)。

制限をつけると人間は知恵をしぼります。なんとか範ちゅうにおさめようと頑張るものです。なかなかできることではありませんが、やるとやらないとでは紙面の印象がグッと違うでしょう。

見出しの数

  • 文字数と同様にできるだけ減らすことが望ましい。
  • 大きな話でも見出しの限度は3本を超えないように努力しよう

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ABOUTこの記事をかいた人

新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。