記者が教える新聞の読み方のコツ5選

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みなさんは「新聞の読み方」を意識したことはありますか。「時間がないから」という理由で新聞は読んでいないという方は多いと思いますが、要所さえ抑えれば効率よく読むことができます。

そういえば、新聞の読み方って誰からも教わっていないという方もいるはず。教わるまでのものではないかもしれませんが、改めて効率よく新聞を読むコツを5項目にまとめてみました。

全部読もうとしてはいけない

Unsplash / Pixabay

新聞は定期購読すると一般紙で朝刊のみだと月々3000円、朝夕刊になると4000円程度です。正直、高いと思っている方って多いのではないでしょうか。情報にこれだけのお金を払っているのですから、元を取るために全部読みたいと思う気持ちはよく理解できます。私もがめついところがあるので、なんでも元をとろうとするタイプです。

でも、これだけは確実に言えます。新聞は全部読もうとしてはいけません

全部読むという高尚な気持ちは持ってかまいませんが、初心者が全部読もうとすると「破綻」します。何が言いたいのかといいますと「頭に入らない」という意味です。

よほど新聞が好きな方、習慣として長年読み続けている方なら話は別ですが、就活のために読む、社会人になって読むことを半ば強制されている方が無理に読もうとする方にはおすすめできません。

新聞を読んだ後に「何を読んだのか覚えていない。内容が印象に残っていない」と感じた経験はありませんか。これは、「読まなければいけない、内容覚えなければいけない」という義務感が前提となって新聞を読んでいるからです。人間は強制されて何かに取り組んだとしても大成しません。

「新聞を読まなければいけない」というやっかいな義務感を取り払うにはどうすればよいのでしょうか。答えは簡単で、読みたいところだけ読めばいいのです。

野球が好きなので運動面の結果なら読んでもいいか。本が好きだから書評は興味を持って読めそう。始めはそのくらいの感覚でよいと思います。もちろん、運動面や書評だけ読むために何千円も払うのは損だと思うのが普通の感覚です。会社に置いてある新聞、毎日朝に立ち寄る喫茶店の新聞など、最初は「ついでに読む」くらいの感覚で手に取ることをおすすめします。

「ニュース価値」を知るためのメディア

新聞は「新しいことを聞く」という漢字から成り立っていますが、ネットやニュースで速報はいくらでも入手できる時代に、新聞に速報性を求めるのは酷な話です。では、メディアにおける新聞の「意義」とは何でしょうか。

私が思う新聞の存在意義とは「相対的ニュース価値」を知るためのメディアではないかと考えています。

1日に起こったニュースは大小を合わせると数え切れません。この中でジャンルごとに優劣をつけてニュースを掲載しているのが新聞です。社会事件や経済、外電など、それぞれのジャンルに特化した記者は、大事だと思えるニュースを残し、必要ないと思えるニュースは捨てる。その判断を繰り返しながら新聞を制作しています。

現代は趣味や志向の多様化によって、ニュースの価値観に極端な個人差が生まれるようになりました。それが一概に悪いとは言えないのですが、見識の幅が狭くなる可能性があるのも一つの事実です。自分にとって1面級の価値があるニュースと、日本にとって1面級の価値があるニュースは全く異なるでしょう。

新聞はまさに後者の「日本にとって価値のあるニュース」を見出しの大きさ、掲載する面によって相対的に優劣をつけているということを意識しながら読むと、日本の動きを把握するのに役立つでしょう。「自分の興味」だけでなく「日本の動き」を深く知るという意味で大切なメディアです。

 

1面を起点に「導線」が張られている

核となる新聞の1面

2017年4月11日付けの読売新聞1面。新聞のターミナル的役割を果たしている部分だ

新聞の1面は相対的価値に基づいて、その日の最も大切なニュースが掲載されていますが、1面の役割は「最も大切なニュースを載せる」だけではありません。ニュースの目次、ターミナル的な役割も果たしているのです。

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1面のトップ級にくるようなニュースになると、他の面にも関連記事が掲載されるケースもしばしばあります。このような場合、リード文(前文)の最後に「関連○面」などとついており、別ページへと飛ぶ「導線」が張られています。これらを起点に関心があればさらに深く読み進めるもよし、関心がなければ別の記事を読むのもよいでしょう。

また、最近の新聞は「目次」をより目立つように改良する傾向にあります。目次にはその日のおすすめ記事がされており、これらを読むだけでも重要なニュースがわかるようにもなっています。素早く新聞を読みこなすには目次の活用は必須です。

新聞は社会面や政治面など多彩なページによって構成されていますが、それぞれどのページにあるかを把握しておくとスムーズに読みやすいでしょう。多くの新聞では2ページ目に政治面、3面は総合面(1面記事の受けやホットな話題の解説)、続いて外電、経済、生活・文化、運動、社会面の順番となります。

社説は「おさらい」として読む

中日新聞の社説面の画像

新聞の社説に対して、みなさんはある誤解を抱いています。社説は「新聞からの提言」であると同時に「ニュースのおさらい」として読むことにも意味を見いだせるのです。

確かに社説の見出しだけ読むと憲法9条の改憲がどうこうとか、フランスの新大統領に物申す的な上から目線で、見出しだけ読むと正直、「言わなくてもわかる当然のことを言ってどうする」という感じが漂う主張も多いのですが「ニュースの解説」という視点で読むと、主張に至るまでのニュースの背景が事細かに書かれていてわかりやすいのです。

「言われなくてもわかる主張」として読むより、背景を知るタイミングを失ったニュースをもう一度おさらいするという意味で社説を読むと、新聞を上手に活用できるでしょう。

ストレートニュース重視か、フィーチャー記事重視か

ネットニュースの台頭によって、新聞のあり方も地味に変化を続けています。その中でくすぶり続けているのは、ストレートニュースとフィーチャー記事のどちらを重視するかという議論です。

旧来の新聞はストレートニュースのような一報系の記事を1面のトップに掲載するケースがほとんどでした。しかし、2010年代に入ると朝日新聞や毎日新聞などは読み物系、フィーチャー記事を積極的に1面のトップに置くようになってきました。

事件で犯人がきょう逮捕される、国政選挙の区割り変更を発表前につかむ、企業の人事をいち早くつかむ。いわゆる新聞の「特ダネ」は、やはりストレートニュースがほぼ独占してきました。しかし、フィーチャー系の記事も「知られていない日本、世界の衝撃的な実態を世間にさらす」という意味では、れっきとした特ダネとして地位を築きつつあるのです。

一方、ストレートニュースの特ダネを重視しているのは読売新聞でしょう。読売は医療などの分野に強みを持っていますが、やはり政治や警察系への取材が歴史的に強いせいか、一報系の記事を大事にしている傾向は変わりません。

朝日新聞は2014年の慰安婦の虚偽記載と東京電力の調書誤報問題が重なったことで大打撃を受けましたが、この問題を機にニュースに対する中立性を保とうとする努力が見られます。ニュースにつく識者談話は賛成、反対の両論を併記するようになり、解説系の記事が増えました。記者が紙面において積極的に顔や名前を出し始めたのも、この時期と重なります(この流れは、他紙も乗っかるようになりました)。

巨人が好きだから読売、高校野球が好きだから朝日という視点で好きな新聞を選ぶのは決して間違いではありません。ただ、どの新聞を読もうか決めかねているのであれば、ストレートニュースかフィーチャー記事のどちらを重視するかを軸に新聞を決めてみてはいかがでしょうか。

まとめ:興味の扉を開くメディア

新聞離れが止まらない昨今では、新聞社は読者獲得のために、新聞を「興味の扉を開くためのメディア」として売り込んでいます。新聞のメディア特性してあげられるのは「信頼性」のほかにも「一覧性」や「網羅性」があります。大事なニュースはほとんど押さえてあるのも強みでしょう。最近の朝日新聞は過去2週間の動きをおさらいできるページを設けるなど、よりわかりやすさに最も力を入れていると思います。

興味のある記事を読んでいるうちに、ページを適当にめくると、次の興味が待っている。無理せず、少しずつ興味の扉を開きましょう。

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12段化された読売新聞の1面

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ABOUTこの記事をかいた人

新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。