2015の作品は前年の方針を引き継いだシンプル路線をより発展させた作風となっています。
一般紙風のかっちりとしたレイアウトから、新聞の枠を越えたレイアウトに挑戦するなど、定番から革新系まで色とりどりの作品に挑戦しました。
一般紙風も変化をつけてスタイリッシュに
こちらの作品は、作品例のトップでも掲載されている意味でも、個人的に馴染みのある作品です。
あくまで作り手としての感覚ですが、結婚新聞のレイアウトで最も人気があるのは英字新聞風で、ユーザーから「一般紙風に作って欲しい」という依頼があることはそうそうありません。
確固たる理由はわからないのですが、一般紙=硬い雰囲気というイメージがあるので、スポーツ新聞や英字新聞のような明るく、非日常的な作風が好まれるのではないかと需要を分析しています。
字ばかりの部分が多い印象を受ける紙面は、読むのを避けられる傾向にあります。今回も膨大な記事量をまとめるのに大変苦労しましたが、記事の一部を写真の上に乗せてしまう(4ページ目)や、成長の記録を縦に並べるコラージュ(中面)をつくるなどすることで、少しでもレイアウトに変化をつけようと努力しました。
「スポーツ紙らしさ」に課題が残った一作
スポーツ新聞風の紙面制作は、最初の作品となった2013年以来2作目。
スポーツ紙といえば、ごつい独特の見出しと題字ロゴが特徴。派手な色使いは自己流で、互いに主張しすぎないように作りました。その一方で、写真が一枚だとスポーツ紙としてさみしい気もしたので
困ったのは裏面のデザイン。最初の作品も同じ悩みに直面したのですが、振り返ってみると作りがスポーツ紙っぽくないなあと。それぞれの名前だけにスポーツ紙見出しにすることも考えたのですが、見出しだけ浮いた存在になってしまうのが怖くて、シンプルなレイアウトに終始してしまったことが課題として残った一作です。
スポーツ新聞風の紙面は2017年にも制作する機会がありました。この時は「裏面レイアウト問題」を克服した紙面が作れました。
極力無駄を省くことを意識した雑誌風レイアウト
スポーツ紙のような「スタイリッシュなごちゃごちゃ感」をうまく出せずに課題が残った前作でしたが、今回は横組み主体の雑誌風レイアウトを意識しました。
これまでの作品は全て他の記者が撮影したり提供写真から作っていたのですが、今作だけは私がカメラとペン担当しました(高校時代の友人のための作品なので)。つまり、取材から編集まで全て私だけで完結しているというわけです。
というわけで、以前からやってみたかったレイアウトを頭の中に描きながら撮影。空に文字を載せることで、人を大きく扱えるレイアウトにならないかと思って試してみました。やはり自分の中で構想ができているので、レイアウトもぴったりですし、想定外もありませんでした。作業は分業よりも一人で作ったほうが気が楽なんですよね…。
2015年の作品は、滅多に作る機会のない一般紙タイプから、慣れないスポーツ新聞風など、経験の少なさから完成度がやや甘い作品もめだった。