意外と知らないphotoshop講座シリーズの第2回は、トーンカーブの使い方について書いてみます。
トーンカーブといえばphotoshopの代表的な機能の一つですね。みなさんの認識では、「暗い画像を明るくしたい時に使うもの」とお考えの方も多いでしょう。その通りです。
Contents
あまり使われない?便利な機能を紹介
実際、トーンカーブを開いて適当に曲線をいじってみると、なんだかんだで明るくも暗くもできてしまうので、便利だなあと思う一方で、「自分は本当にこの機能を理解しているのか」と疑問に思うこともしばしばあります。そこで、機能面やちょっとした小技について勉強してみました。
現在の画像値=縦軸、変更後の横軸=横軸
トーンカーブは、画像内の色情報を各チャンネルと全体の画像について、現在の画像値(256階調を持つ横軸)と変更後の画像値(256階調を持つ縦軸)の組み合わせによってカーブの形状を変更しながら調整します。
45度の直線=補正前と補正後の結果が同じ状態
まずグラフの初期状態として、45度の直線になっていますよね。当然の話ですが、これは、補正前と補正後の結果が同じ状態であることを示しています。
トーンカーブの線上をドラッグすると、ドラッグを始めた部分に点が設定され、線を動かすことができます。プレビューにチェックを入れた状態でグラフを動かすだけでも状態の変化が確認できるので、これだけでもそこそこ使えてしまうのですが、気づかないと使わない便利なボタンもたくさんあります。
画像内をドラッグして明るさ補正
一番左下にある手の形をしたアイコンは、画像内をドラッグすることで状態を調整できるという機能です。ボタンを押した状態で、状態を変更したい画像の適当な場所を選ぼうとすると、スポイトのアイコンが出てくると同時に、グラフ内でも小さな丸枠のポインタが表示されるので、クリックしたピクセルが基準点となります。
クリックしたピクセルを基準に画像上で、マウスを上下左右にドラッグするとカーブを調整できます。
グラフ上の線をクリックしてドラッグすると、明るさを調節できるカーブができあがるのは言うまでもありませんが、ドラッグを終えると、固定点ができあがります。
さらに、固定点と線の両端の間をクリック、ドラッグすると、別の曲線ができます。一カ所だけでなく、複数点で明るさを変更できるというわけです。
初期状態ではグラフのグリッドは1マス4分割となっていますが、もっと細かくして調節の参考にしたいと思っている方もいるでしょう。そんな時は、グリッドサイズを1マス16分割に増やすことができます。
グラフの「初期化」ボタンが存在する
グラフをあちゃこちゃといじりすぎて、画像の状態がおかしくなるというのもphotoshopの世界ではよくあることですよね。でも、固定点をいちいちdeleteで消すのも面倒ですし、一発で初期化できないかなあと思っている方もいるでしょう。そんな便利なボタンがあるんです。
optionを押し続けるとボタンが「初期化」に変化
初期化をするには、optionキーを押すと「キャンセル」ボタンが「初期化」に変化します。これで簡単にやり直しが効きますね。
グラフのスライダーも活用しよう
グラフは左下がシャドウ部、右上がハイライト部です。グラフの直線をつまんでドラッグすると、画像の明るさが変化します。上にドラッグするとハイライトが強調され、下にドラッグするとシャドウが強調されます。これが最もポピュラーな使い方ですね。
左側がシャドウ部、右側がハイライト部
ただ、画像の明暗はスライダーを使っても簡単に調節することができます。スライダーはグラフの横軸の両端にある白黒の三角形をしたアイコンです。これを中央に寄せて調節することで簡単に画像の明暗を調節できます。
グラフ軸の単位を逆にすることも可能
また、グラフ軸の単位は初期状態では光量(0-255)とにチェックが入っていますが、これを色材量にチェックを付け替えると、スライダーが逆になりハイライト部が左側、シャドウ部が右側になります。当然、グラフを下にドラッグさせると明るく、上にドラッグすると暗くなります。
白色点を設定ツール
最後に、任意の色を基準にして明るさを補正できるスポイトのアイコンをしたツールについて触れておきます。
黒、グレー、白色に合わせて補正できる
スポイトのアイコンは全部で3種類あり、左から黒、グレー、白です。例えば、白くしたい画像の一部分をスポイトアイコンのツールでクリックします。すると、クリックした点の色が白色となりそれに合わせて全体の明るさが補正されるという機能です。
違う色を基準にすると…?
白に近い色の部分で白色点設定ツールを使えば、バランス良く明るさが補正されますが、これが白ではなく全く違う色ならどのような事が起きるのでしょうか。
ピンクの花びらの色が薄い部分をスポイトでクリックすると、花びらが白くなり、周囲が緑色になってしまいました。トーンカーブのグラフを見ると、グリーンの色素が強調されているのがわかります。わざとこのような色合いを出せる、という考え方もできそうなので、これはこれでいろいろな使い方ができそうですね。
いかがでしたでしょうか。photoshopに限らずAdobe製品は参考書でも買わない限り、ツールの詳細な使い方をしらないままスキルを身につける方もいるでしょう。そんな方のために、このような講座が存在していると思います。今後も地道にコンテンツを増やしてゆく予定なので、今後ともよろしくお願いします。
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