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プロ野球開幕前にシュールなドアラが広告に
いよいよプロ野球も2017年のペナントレースが開幕です。春季キャンプが始まる頃は、ごひいきのチームはなぜか「今年は優勝しそうな気がする」と思ってしまいますが、オープン戦で選手の仕上がり具合を見て「やっぱり今年もダメかなあ」と落胆してしまう時期でもあります。
さて、そんな折に中日新聞や中日スポーツで、不思議な広告が出ていると野球ファンの間でにわかに話題となっています。それが以下の広告。中日ドラゴンズの人気マスコット「ドアラ」が登場しているのですが、シュールな広告なのです。
ドアラvs鯉:たべられた
広告が最初に登場したのは3月27日付で、鯉に食べられているドアラ。
ドアラvs横浜:星あたった
翌3月28日付には飛んできた星が頭に刺さっています。
ドアラvs阪神:かまれた
続いて3月29日付はトラに尻尾をかまれています。
ドアラvsヤクルト:おそわれた
3月30日付になると、ツバメの大群につばまれています。
日本のプロ野球をちょっと知っている方ならすぐお気づきでしょうが、日替わりで登場しているのはセ・リーグ各球団のシンボルです。いずれもドアラが叩きのめされている様子が広告となっています。
前年はリーグ最下位…声高に優勝は叫べない?
広告のキャッチコピーは「ドアラのカタキをうって」。昨年の中日はリーグ最下位と辛酸を嘗めさせられる結果となりました。各球団にメタメタにやられた昨年の姿とドアラを重ねて見たファンも多いのではないでしょうか。そんな自虐的なメッセージが反響を呼んでいるというわけです。
広告は世間の空気を反映していると言われています。中日は2017年のオープン戦も一時最下位タイに転落する(最終的には12球団中9位タイ)など、この結果だけ見ると躍進を期待するにはちょっと無理があるかもしれません。さらに前年の成績も踏まえると、開幕を前にして「さあ今年は優勝だ!」などと声高に叫ばれても、あまり説得力がありませんよね。そんな世間の「空気」を察知して、このような広告になったのだろうと想像できます。
先日の「逃げ恥」全面広告といい、新聞媒体を使った広告クリエーティブに活気が見られます。オワコンと言われて久しい新聞も、アイデア次第では十二分に活躍できますし、読んでみると意外と面白いということを業界にいる人間として、ささやかながらアピールさせていただきます。
広告もカープ、ベイスターズ、タイガース、スワローズと続けば、最後はジャイアンツ。掲載順は開幕カードに合わせる形で選んだのでしょうか。そうなると、最後の広告デザインはどうなるのでしょうかね。広告なのに、なぜか期待してしまいます(笑)。
「巨人」に踏み潰される!ドアラをたすけて
(2017年3月31日追記)
最後の「ドアラ広告」が登場しました。予想通り「巨人」がでてきましたが、今回はやられているのではなく、「やられそう」な絵です。
今回だけ、なぜ「やられそう」なのか。その真意を勝手に深読みすると、2016年シーズンの中日は58勝82敗3分の最下位なのですが、唯一巨人にだけは勝ち越しているのです(13勝11敗)。だから、巨人にだけは「カタキをうつ」という表現は合わないと推測できます。
キャッチコピーは「ドアラをたすけて」。16年は勝ち越したとはいえ、17年の開幕戦はアウェーで始まりました。絶体絶命のピンチを迎えたドアラを、いや中日ドラゴンズを助け(広告通り?開幕戦は惨敗…)に週末は東京ドームへ応援に行ってやってください(笑)
交流戦でもドアラ広告登場
(2017年5月30日追記)
開幕時だけと思っていたドアラ広告のキャンペーンはまだ終わっていませんでした。
ドアラvsソフトバンク:ツメ切った
2017年の交流戦開幕に向けて、新たな広告を発表。ドアラはタカ(ソフトバンクホークス)の爪を切ってしまったのです。
まるでタカを手なずけたかのように勝ち誇ったドアラ先生。開幕時とは打って変わって攻勢に転じています。
交流戦の開幕に望む中日ドラゴンズは2017年5月29日現在、セリーグ最下位です。開幕時の惨状から脱しつつはあるものの、肝心なところで勝ちきれない。そんな状態にファンの拳も上がったままなのではないでしょうか。
中日よ、このままやられてしまうのか。いや、ドアラも一緒に戦って反転攻勢だ。そんなメッセージが読み取れる広告です。これまでの結果を見ると、交流戦はセよりもパの方が圧倒的に強い傾向が見られます。今年はどんな結果になるのでしょう。
そして、明日以降の広告は、対戦順にワシ(楽天)、カモメ(ロッテ)、クマ(日本ハム)、ライオン(西武)となることが予想されます。がんばれドラゴンズ!がんばれドアラ先生!
ドアラvs楽天:「巣とった」
(2017年6月2日追記)
全国の中日ドラゴンズファン、そしてドアラファンのみなさん、お待たせしました!午前4時に朝イチで配達された中日新聞をソッコーで開いて新しいドアラ広告を撮影。今回は対東北楽天ゴールデンイーグルス用の広告でした。
今回のキャッチコピーは「巣とった」。イヌワシ(?)の巣で寝そべって占拠したことで勝ち誇るドアラ先生が描かれています。
突っ立ってるドアラとは一味ちがう脱力感も魅力的なのですが、個人的にはドアラよりも遠巻きで目が点になっているイヌワシ三匹のほうが可愛らしくて好きだなあと思ってしまいました。
ドアラvsロッテ:(食パンは)あげない
(2017年6月6日追記)
中日大好き、ドアラ大好きな全国のみなさんがこのページにたくさん来てくれてありがたい限りです。広告の新作が千葉ロッテマリーンズ戦に合わせて登場しました。
今度のキャッチフレーズは「あげない」。カモメたちがドアラの主食(年俸)であるパンを物欲しそうにじーっと見つめているのですが、ドアラは「あげない」。ドアラは欲しいものは独り占めしたいのです。中日の勝ちもあげません!
千葉ロッテの挑発ポスター(番外編)
千葉ロッテといえば、近年の交流戦はこのような「挑発ポスター」も話題になっています。「燃えろ!ドラゴン」は球団歌のタイトルとかけているのでしょうか。
こちらも大変面白いのではありますが、他球団向けのポスターは画風が全然違って、作風に一貫性がないのが大変残念だと思います。交流戦ではパリーグ2強の楽天とソフトバンクに勝率5割で終えることができたドラゴンズ。下位のロッテ戦だけに勝利を取りこぼしたくないところです。燃えよドラゴンズ!
ドアラvsオリックス:こうふんさせた
(2017年6月9日追記)
ドアラの広告シリーズも9作目。広告が紙面に登場する日は、おじいちゃんおばあちゃんのように早起きをして新聞受けをチェックする習慣ができました(笑)。今回もカード通り、対オリックス・バファローズ用の広告です。
広告の絵を見ると、闘牛士が使っているマントを持って「こうふんさせた」と誇らしげなドアラ。ただ、闘牛士のようにヒラリとかわすことが目的ではなく、興奮させることが目的なのはなぜでしょうか。
今回の相手、オリックスは交流戦では絶好調。中日も一時期に比べれば底を脱した感こそありますが、ドアラが興奮させた猛牛打線を華麗に封じる術はあるのでしょうか。週末も頑張れドラゴンズ!
ドアラvs日本ハム:お手させた
(2017年6月13日追記)
ドアラ広告シリーズも10作目と終わりに近づいてきました。今回の対戦相手は日本ハム。クマが出てくることは何となく予想はつきますが、どのように手なづけるのかに注目が集まります。
早速、中日新聞を開いてみると、なんとクマに「お手」をさせているではありませんか!反対の手には鮭があり、どうやら好物で手なづけたようです。
セリーグは広島・阪神を除けば下位4球団は交流戦でもほぼダンゴ状態。ヤクルトや巨人が記録的連敗で自滅する一方、5割近い勝率で踏みとどまっている中日は健闘しているといってもいいでしょう。交流戦も残り2カード。最後までがんばれドラゴンズ!
ドアラvs西部:じゃらした
(2017年6月17日追記)
中日新聞に掲載されたドアラ広告も今回で全球団の掲載が完了しました。交流戦最後の対戦相手は西武ライオンズ。勇猛なライオン(レオ)をドアラがどう手なずけるかに注目が集まります。
はい、ドアラはライオンを猫じゃらしで手なずけました。脇にはライオンの親子。相変わらず目が点になっているキャラクターもかわいく、子どもも猫じゃらしに手を出しそうになっています。
交流戦ではオリックス、日ハムに負け越して失速気味のドラゴンズ。ペナントレース開幕からもったいない負け方が続くだけに、竜党はさぞかしほぞをかんでいるのではないでしょうか(私もそうです)。パリーグの強豪と対等に戦った交流戦の序盤の勢いを取り戻してぜひとも昇竜してほしいものです。頑張れドラゴンズ、頑張れドアラ先生!
「なんか来る」中日スポーツのオールスター告知広告にドアラ登場
(追記:2017年7月12日)
交流戦も終わり、ドアラ先生の広告も終わりを告げました。毎朝、早起きして家に届く中日新聞をめくっていたのが懐かしい…と思ったら、ドアラ広告が再びやってきました。
「なんか来る」と振り向くドアラの背後に他球団マスコットのシルエットが…。ナゴヤドームで7月14日に開催されるオールスターゲームの告知でした。
画像というか新聞がしわだらけで恐縮です。この広告は中日新聞ではなく、中日スポーツにしか掲載されていないようで、近所の知り合いの家で撮影させてもらいました。
ドアラ広告を作った会社は「たきC1」
(2017年5月14日追記)
この話題になった「ドアラ広告」を作ったのはどんな方でしょうか。そんな疑問に応える記事が、中日新聞に掲載されました(2017年5月14日付)。
新聞によると、広告を制作したのは名古屋の広告制作会社「たきC1」のコピーライター都竹玲子さんと、デザイナー鷲見まゆみさん。
広告を制作するにあたって、お二人は以下のことを調べたそうです。
現状を把握することで、適切な広告を作れます。近年は最下位や5位と低迷していることをまず認識しました。
出典:中日新聞2017年5月14付、16ページ「マナビバ・ジュニア」
そこから思いついたことをノートに書いた結果、最終的に2案にしぼられたそう。
「最下位から優勝したら、ドラゴンズ史上初」
「最下位の球団をどう盛り上げ、ドアラで開幕まで楽しませるか。ドアラのかたきを選手にうってもらう発想で、面白さや前向きさを出しました」
出典:中日新聞2017年5月14付、16ページ「マナビバ・ジュニア」
当初のデザイン案ではドアラは逃げる姿だったのものの、資料を読んだら「懸命に走らない気がする」と方針転換。持ち味であるゆるさを前面に出した広告が完成したそうです。広告の掲載順はセ・リーグの2016年順位が基本らしく、最後だけ開幕戦である巨人の広告を持ってきたとのこと。
クセがすごいドアラのキャラを読み切った制作者の意図が、ヒット広告を生んだのですね。
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