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2016年から17年にかけて将棋や囲碁は、近年例をみないほどの盛り上がりを見せた。一つは14歳で将棋のプロとなった中学生棋士の藤井聡太四段。囲碁の世界ではメジャータイトル7冠を独占した井山裕太名人。もう一つはAI(人工知能)の存在だ。

新聞社の時事試験ではこの3テーマのうち、いずれかは出るのではないかと予想されるので、要点をおさらいしていこう。

将棋の14歳プロ、藤井聡太さん

新聞の日に掲載された藤井聡太4段の記事(朝日新聞より)

新聞の日に掲載された藤井聡太4段の記事(朝日新聞より)

いわずと知れた14歳プロ棋士の藤井聡太四段(2017年7月19日で15歳)は、愛知県瀬戸市の出身。プロへの登竜門である奨励会に小4(9歳)で合格し、小6ではプロも参加する詰将棋解答選手権で小学生初の優勝を飾る。プロ入りは2016年10月1日、14歳2カ月でのプロ入りは史上最年少。

中学生でプロになれたのは、加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王、そして藤井四段の5人という点も必ず覚えておきたいポイントだ。

奨励会とプロ、段位の関係

プロ棋士を目指す小学生が入る養成機関。三段まで上がってから参加できる奨励会のリーグ戦上位2人が4段となり、プロとして認定される。4段で計100勝をすると5段に昇進、120勝で6段、150勝で7段、190勝で8段、250勝で9段となる。

将棋のプロは約150人しかおらず、各段で20〜30人程度いる。昇段するには勝ち星を重ねるほかにも名人戦の予選(順位戦)や竜王戦の戦績、タイトル戦への挑戦権獲得なども求められる。

主な戦績としてはデビュー戦で「ひふみん」の愛称でしられる加藤一二三9段と62歳差対決を制する。17年4月には絶対王者の羽生善治3冠と非公式戦(AbemaTV7番勝負)ながら勝利を奪い、注目度は急上昇した。ちなみに、羽生三冠は15歳2カ月でプロ入りし、初タイトルは19歳3カ月で竜王を獲得し、25歳で7大タイトルを独占、このうち6つで永世位を保持している。

藤井4段と羽生3冠の比較表

藤井4段と羽生3冠の比較表(日刊スポーツより)

将棋のタイトル数も関連事項として出題される可能性が高い。名人、棋聖、王位、王座、竜王、王将、棋王が七大タイトル。今後、出版大手のカドカワが叡王戦を新たに設立し、八大タイトルとなる予定だ。

将棋の7大タイトルとスポンサー

ちなみに、それぞれのタイトルのほとんどは新聞社がスポンサーになっている。名人戦は朝日と毎日の共催(昔は毎日の単独主催だったが、金欠により朝日との相乗りになった)、竜王戦は読売、王将戦はスポニチ、王位戦は北海道、中日(東京)、西日本、神戸の共催、棋聖は産経、棋王が共同、王座は日経がそれぞれスポンサーになっています。それぞれのスポンサーは主催試合は紙面で手厚く報道しています。

藤井4段の連勝記録の更新は要チェック

2017年6月3日現在、藤井4段の連勝記録は20(歴代単独7位)まで伸ばしているが、現在進行形であるため少なくとも春の試験には出ないと思われる。ちなみに、プロデビューからの連勝記録は、これまで松本圭介六段と近藤正和六段の10連勝だったが、17年4月4日に藤井四段によって塗り替えられた。

(追記:2017年6月23日)藤井4段は2017年6月21日、澤田真吾6段を破って歴代最多タイの28連勝(かつデビュー以来負けなし)を記録。

(追記:2017年6月27日)藤井4段が2017年6月26日、竜王戦決勝トーナメント1回戦で増田康宏4段を破り新記録となる29連勝を達成した。この対局は10代対決という意味でも注目を浴びた。

藤井四段が単独1位となる公式戦29連勝を飾った時のコメント

藤井四段が単独1位となる公式戦29連勝を飾った時のコメント(朝日新聞より)

(追記:2017年7月3日)藤井4段は2017年7月2日、竜王戦決勝トーナメント2回戦で佐々木勇気5段に敗北、デビューからの無敗記録、そして歴代記録の更新がかかった30連勝はかなわなかった

(追記:2017年7月23日)初の敗戦から約3週間が経過した2017年7月21日、15歳(7月19日生まれ)を迎えての初陣だったが、YAMADAチャレンジ杯準々決勝で三枚堂達也四段に敗れて2敗目を喫した。

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藤井4段の最多連勝記録表。ついに最多タイ28連勝まで並んだ(中日新聞より)

藤井4段は最多タイ28連勝まで並んだ(中日新聞より)

将棋のデビューからの連勝記録表

将棋のデビューからの連勝記録表(朝日新聞より)

ただ、過去の最多連勝記録は1986~87年に神谷広志八段が28連勝したことは覚えておきたい。試験では将棋にうとい受験者が最多連勝=羽生三冠と勘違いさせる問題を出す可能性があるからだ。念のため、羽生3冠の最長連勝記録は22連勝(1992年)であることも頭に入れておこう。

余裕があれば、最高齢棋士の加藤一二三9段が引退したことも、頭の片隅に入れておこう。2017年の将棋界は、新旧の世代交代が鮮明となった2人なだけに、試験に出る可能性も捨てきれない。

予想される出題形式

  • 将棋の過去の最多連勝記録
  • デビューした新人のこれまでの連勝記録
  • これまでに中学生でプロ棋士となった人物
  • 将棋の七大タイトルとスポンサーの組み合わせ正誤問題
  • 最年少プロ棋士と最高齢プロ棋士の組み合わせ

番外編:藤井聡太が出題する詰め将棋

藤井聡太さんの強さの源にあるのは「詰め将棋」だそう。プロも参加する詰め将棋大会で優勝するほどの実力の持ち主で、自分でも詰め将棋問題を作ることもあるらしい。

先日、藤井4段は愛知県知事に詰め将棋の問題を贈ったという。その画像がこちら(朝日新聞紙面より)。本人いわく「解くのに30分はかかる」という難問らしい。解答は…わかりません(汗)

藤井4段が愛知県知事に贈った詰将棋の問題

藤井4段が愛知県知事に贈った詰将棋の問題

史上初の囲碁7冠独占、井山裕太さん

囲碁の七大タイトルといえば、棋聖、本因坊、名人、王座、十段、碁聖、天元です。これらのタイトルを2016年に年間で全て獲得したのが井山裕太さんです。

5歳で囲碁を始めて、中学1年でプロ入り、20歳4カ月でタイトル名人位を最年少で獲得。2013年には初の6冠を獲得しています。

世界タイトルは2013年のTVアジア選手権。近年の囲碁は中国と韓国がトップ棋士のしのぎを削っているようで、なかなか日本勢がつけいるスキはないようです。

予想される出題形式

  • 囲碁の七大タイトルを独占した人物を選べ

AIとトップ棋士の対戦

囲碁

ccxcn / Pixabay

近年、にわかに注目されるのはAI(人工知能)とトップ棋士の対戦です。

2017年5月21日は現時点で将棋界の頂点に立つ佐藤天彦名人が、将棋ソフト「PONANZA(ポナンザ)」と対戦(第二期電王戦)、ポナンザが2連勝しました。第一期もポナンザは山崎隆之叡王に2連勝しています。

将棋だけでなく、チェスや囲碁などのトップ選手がAIと対戦し、年々進化を遂げるAIに次々と敗れています。古いところでは、1997年にチェスのAIソフト「ディープブルー」が世界王者に勝利。2010年には「あから2010」という将棋ソフトが清水市代女流王将に勝ちました。また、日本製のAI囲碁ソフト「ディープゼンゴ」もあり、囲碁タイトル七冠を独占した井山裕太さんも3戦全敗しています。

中国や韓国のトップ棋士はITの巨人グーグル傘下企業「ディープマインド」が開発した「アルファ碁」と対戦していますが、軒並み敗北するなどAIの強さは年を追うごとに進化しています。ただ、世界最強と言われる柯潔九段が敗れた一戦をもって、AIとトップ棋士の対決はこれで一区切りとなるようです。

試験に出るという観点では、ポナンザやあから2010が将棋ソフト、アルファ碁やディープゼンゴは囲碁ソフトなど、ソフト名と競技の関連づける問題が予想されます。私なら5択の中にチェスソフトのディープブルーを混ぜて「囲碁や将棋と関係のないソフトを選べ」という問題を出すでしょう。

予想される出題形式

  • 以下のAIソフトから将棋や囲碁と関係のないソフトを選べ

加藤一二三九段の引退

棋界における最年長棋士で、元名人だった加藤一二三九段が2017年6月30日に引退した。

当時の最年少記録だった14歳7カ月でプロ入り。62年10カ月に渡る現役生活を送り、通算対局数(2497)と敗戦数(1197)は歴代最多。

まとめ:「藤井聡太」だけ暗記しても解けない問題に注意

2017年の新聞社採用筆記試験は藤井聡太四段やAIが頻出テーマとなるのは間違いないでしょう。しかし、藤井さんの名前だけ知っていても、新聞社の試験は解けません。むしろ、藤井さんの名前を知っていることを前提にした問題が出されます。

マスコミが注目しているのは将棋の最多連勝記録です。藤井さんの記録はまだ進行中なので試験には出ないでしょうが、塗り替えたデビューからの連勝記録あたりも狙われそうです。タイトルと主催社(新聞社)の関係も、受験する新聞社によっては出てくる可能性もありますので気をつけましょう。

【新聞社内定へ】2017年秋採用試験の時事問題を大予想(問題編)

2017.08.09

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新聞の日に掲載された藤井聡太4段の記事(朝日新聞より)

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。