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新聞社の筆記試験に出そうなテーマとして、出題の可能性が高いのはPKO(国連平和維持活動)だろう。PKOに自衛隊が参加できるようになった1992年6月から、25年が経過した節目として、各社が大きく取り扱っているだけに出題度は高い。憲法との整合性とにらみ合いながら揺れてきたPKOを知りつつ、出題ポイントを押さえておきたいところだ。

PKOとは何か

そもそもPKOが何かを知らない方もいるだろう。国連憲章(国連加盟国の義務や権利を規定した基本文書)には、武力による侵略を行使した国を他の国が集まって阻止する「集団安全保障体制」の実現や、紛争地域に小規模の軍隊を送り平和的解決を促す活動が規定されている。

つまりPKOは、紛争が起きた地域間の停戦合意を監視するため、国連から第三国の軍隊が派遣して見守るということだ。

PKO協力法の何が問題なのか

PKO協力法は1992年6月に成立したが、賛成派の自民、公明、民社と、社会、共産の反対派との間で激論が交わされた。

PKO協力法が成立した背景には、湾岸戦争がある。クウェート出動した多国籍軍に対して130億ドルを拠出したものの「、お金だけしか出さない国」との批判が出たため、当時の政府や自民の中では「人的貢献」をする必要があるとではとの考えが出た。その考えを元に成立したのがPKO協力法だ。

しかし、日本には海外での武力行使は違憲という憲法との整合性がとれないという問題があった。そこで生まれたのがPKO参加5原則だ。

自衛隊PKO派遣のあゆみ

自衛隊PKO派遣のあゆみ(毎日新聞より)

PKO参加5原則とは

自衛隊がPKOに参加する条件として、憲法9条の枠内での活動を明記したのがPKO5原則だ。仮に試験に出ると仮定した場合「5原則にあてはまらないものを選べ」などという問題が出ると予想される。

  1. 紛争当事者間で停戦合意が成立
  2. 派遣先地域の属する国を含む紛争当事者が日本の参加に同意
  3. 特定の紛争当事者に偏ることなく中立的な立場を厳守
  4. 前記3原則のいずれかが満たされなくなった場合は撤収
  5. 武器使用は要員の生命防護のための必要最小限度

ちなみに、2015年7月に可決された安全保障関連法(安保法案)の整備によって、5番目にあたる「武器使用」条件には、任務を遂行するためなら可能とした。

カンボジア派遣で自衛隊員死亡

国連の要請を受けて1992年9月に自衛隊はカンボジアに派遣。道路や橋などのインフラ補修、燃料や物資輸送、宿泊施設の設営などが主な任務だった。

自衛隊のPKO派遣先一覧

自衛隊のPKO派遣先一覧(朝日新聞より)

カンボジアには自衛隊員の他にも文民警官、つまり軍人としてではなく普通の警察官も派遣されました。その中の一人だった高田晴行警視と国連ボランティアの中田厚仁さんがゲリラに襲われて死亡した。これ以降、2006年の東ティモールまで文民警官が派遣されることはなくなった。

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PKO25年の歴史表

PKO25年の歴史表(朝日新聞より)

主なPKO協力法の改正

PKO協力法は武器使用に関してこれまで数度改正されている。改正内容は以下の通り

1998年、武器使用は個人判断ではなく原則上官の命令に

2001年、本体業務参加の凍結解除、武器使用の防護対象を「自己の管理下に入った者」に拡大

2015年、安保法の成立に伴い、新任務「駆け付け警護」などが可能となった

駆け付け警護とは

安保法案の議論で問題となったのは「駆け付け警護」。自衛隊がPKOの活動中に、他国の軍隊や国連職員などが武装集団に襲われた際に、武器を使用して助けることだが、問題視されたのは、それまで自衛隊が海外で武器使用を許されたのが「自己防衛」と「自衛隊管理下周辺の人間」に限られていたからだった。

日本の医療NGOが車を奪われた1994年のルワンダ難民救援派遣、現地の日本人会が自衛隊に救出を要請した2002年の東ティモール派遣では、自衛隊は救出に際して武器使用が認められなかったため、救出ではなく「人員輸送」という形で避難させた経緯がある。

PKOに携わる民間人を救出するため、自衛隊員は「盾」となって民間人を守ることしかできず、正当防衛という形でしか反撃ができない。そのような隊員のリスクを無くすためにも駆け付け警護が必要だと声が出ました。また、駆け付け警護が可能となれば、国連における日本の存在感も示せる。改正賛成派がこのような主張を展開していた。

これに対して、反対派は駆け付け警護時に自衛隊員が襲撃に巻き込まれて命を落とすリスクや、反撃相手が「国にあたる組織」だった場合は憲法違反となるーとの主張を展開した

南スーダンPKOで初の駆け付け警護任務

安保法の成立後、自衛隊の南スーダン派遣において、2016年12月に初の駆け付け警護任務が付与された(実際に任務は実行されなかった)。

しかし、2016年7月に派遣先で「戦闘」があったと自衛隊の日報で書かれていたことが発覚。憲法9条の観点から違憲とされている海外での戦闘行為に抵触しているのではないかと問題視された。その後、廃棄されたとしたこれらの日報が実は保管されていたことなども明るみとなった。

これらの問題が要因となったかどうかは定かではないが、2017年3月に南スーダンの自衛隊施設部隊は「一定の区切りがついた」として活動を終了。5月27日に全ての隊員が帰国を果たした。

出題される問題

PKO協力法の成立から25年の節目に絡んで出題される可能性が最も高いのは「PKO参加5原則」だろう。この5条件のうち、武器使用は安保法の成立に伴い基準が緩和されている。

他にも、過去に文民警察官や国連ボランティアが死亡した1993年のカンボジア派遣、記憶に新しい「駆け付け警護」の任務付与、そして南スーダンで「戦闘」があったとされる「日報問題」。このあたりさえおさえておけば問題ないだろう。

【新聞社内定へ】2017年秋採用試験の時事問題を大予想(問題編)

2017.08.09

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自衛隊PKO派遣のあゆみ

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。