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日本において常に議論の的となっている憲法問題は、一般常識として就職試験の時事問題にも頻出する傾向にある。特に新聞社などのマスコミ系は大好きなテーマなので、記者などを志す方はしっかり覚えておきたいところだ。

今回は、2017年の動きにしぼって憲法9条の改正に向けた動きを紹介する。改憲の論点や試験に出そうなポイントのみを挙げていているので、短時間で知識を得たい方におすすめできる内容となっている。

「2020年に新しい憲法施行」を目指す安倍首相

geralt / Pixabay

憲法施行から70年の節目となった2017年5月3日、読売新聞は東京五輪が開かれる2020年に憲法改正の施行を目標とする安倍首相のインタビューを掲載した。

首相は五輪が開催される2020年を「日本が生まれ変わる年にしたい」とし、「新たな憲法の施行を目指す」と発言している。ニュースでは盛んに放送されているものの、あまりよく理解していない方も多いだろう。

自民党が重視する改憲項目は以下の4点だ。「改憲って9条だけじゃないの?」と思う方もいるだろうが、実は4点もある。

  • 9条1項(戦争の放棄)、2項(戦力の不保持、交戦権の否認)を残したのまま自衛隊の存在を明記
  • 高等教育を含む教育無償化
  • 参院選「合区」解消など選挙のあり方
  • 緊急事態条項

これについては、朝日新聞が問題点を含めてわかりやすく表にしてくれている。下図を参考にしてほしい。

自民党の主な改憲項目と問題点

自民党の主な改憲項目と問題点(朝日新聞より)

9条を改憲するとどうなるのか?

takazart / Pixabay

憲法9条では戦力の不保持をうたっているものの、国の解釈として現状は「自衛隊=軍隊」ではないとしています。この認識をめぐり、今までずっと自衛隊が違憲か否かの論争や裁判を繰り広げてきた(最高裁でも「高度な政治的判断には口出しできない」という旨の判決が出ている)。

そこで、9条に自衛隊の存在を明記して、海外での活動制限もなくせば、集団的自衛権の問題も「国民の総意」としてクリアできるという狙いがあるようだ。

改憲賛成派の主張

自衛隊が海外で活躍することによって、近隣国への抑止につながり、ひいては国際貢献として日本をアピールできる、そもそも占領軍から押し付けられた憲法をなぜ変えてはいけないのかとの考えが賛成派が掲げる主張だ。

護憲派の主張

逆に護憲派の立場としては、平和憲法として世界から信頼されている9条(日本の「平和ブランド」)をなぜ壊す必要があるのか。そして改憲によって同盟国である米国にひらすら追従して戦闘に巻き込まれる役割に回るのではないか。何より、戦後日本の基軸として保ってきた不戦の誓いを破ることのデメリットは計り知れないほど大きいとも主張している。

その他の改憲項目

今回の憲法改憲は9条だけでなく、他の項の改正も目指している。いずれも「そういえば報道されてような気もする」という内容ばかり。中には「これって改憲してまでやることなの?」という項目もある。

緊急事態条項ってなんだ?

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大規模な自然災害やテロなどが発生した際に、特例として国会議員の任期延長や選挙の延期容認を今回の改憲で目指している。また、現在は緊急事態の宣言ができるよう「首相の権限強化」を求める声が自民党内で議論されている。一方、有事の際に首相に権限が集まると、国民は意のままに操られるのではないかという懸念もくすぶっている。

改憲と合区、一票の格差について

2017年7月現在、一票の格差是正のため、参院選の選挙区は鳥取・島根と徳島・高知が一つの選挙区(合区)となっている。ただ、これに自民党内からは不満が出ているため、改憲で選出は「都道府県から少なくとも1 人」と規定したい狙いがある。

一票の格差とは、選挙区ごとに有権者の数が異なるため、1票の重みが不平等となってしまうこと。2017年7月16日から適用される衆院選の区割りによると、人口が最も少ない鳥取1区を1とすると、最も多い静岡5区は1.955倍となる。参院選では人口が最も少ないのは福井県(約39万人)に対して、最も多いのは埼玉県(約120万人)。

2009年からの直近3回における衆院選では、一票の格差が2倍以上となったことで、最高裁は相次ぎ違憲状態と認めている。これを受けて格差を是正しようと、国会では衆院選小選挙区の定数を「0増6減」とする改正公職選挙法が成立(2017年6月9日)。小選挙区の区割りが見直されたのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で、それぞれ1区ずつ減った。また、13都道府県においても区割りの線引きが変更となった。

高等教育を含む教育無償化

憲法26条には、国民の「教育を受ける権利」が定められている。この条文を改正することで、幼児から大学までの教育を無償化させたいとの狙いがある。しかし、26条には「法律の定めるところにより」と明記されており、憲法をわざわざ改正しなくても法律を変えれば済む話なのでは、との疑問も出ている。

憲法改正に必要な要件

niekverlaan / Pixabay

ついでに覚えておきたいのは、憲法改正に必要な条件だ。これは一般常識として就職試験には頻出のテーマで、マスコミ系(特に新聞社、硬派系出版社)は必ず覚えておきたいのであえて書いておく。

憲法改正手続きの順番

  1. 両議院(衆議院、参議院の順)において憲法審査会で可決、本会議の採決で総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議できる
  2. さらに国民投票という形で過半数を超えると承認、半数以下なら廃案
  3. 国民投票で承認された場合、天皇が国民の名で公布する

まとめ

ここまで最近の改憲事情についてまとめてみた。ただ、就活に利用し最大の関心事は、改憲がどのような形で筆記試験に出題されるのか、である。

  • 出題の定番は「憲法改正手続き」
  • 自民党の改憲案(4点)は正誤問題で出題される可能性あり
  • 一票の格差はどの地域が最も差があるのか、是正で衆院の定数が少なくなった地域、参院で合区となった地域

 

かねてから「戦後レジーム(体制)からの脱却」などと首相が積極的に改憲をしたがる理由は、祖父の岸信介が果たせなかった願いであるという。東条内閣のA級戦犯の一人として投獄、不起訴となった後は日本の自主独立を目指して安保改定に尽力したものの、改憲までは手が回らなかった。そんな願いを果たすのが安倍首相は「使命」としているが、そんなところまで試験で出題されることはないだろう。

とはいえ、憲法は日本国民にとって大事なテーマ。企業を問わず就活の面接で「自民党の改憲案についてどう思う?」などと突然聞かれたら、しどろもどろになる方も多いのではないだろうか。そうならないためにも、一通り勉強しておいてほしいテーマだと思う。

【新聞社内定へ】2017年秋採用試験の時事問題を大予想(問題編)

2017.08.09

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。