【Illustrator】青海波パターンを同心円グリッドツールで作る

青海波は日本古来から伝わる代表的な模様の一つ。盛り上がった波模様がどこまでも続いていくような模様から、平和がいつまでも続くようにとの願いも込められているそうです。今回はこの青海波パターンをIllustratorで作ってみましょう。

使用する機能は同心円の作成に「同心円グリッドツール」「アピアランス」、パターン作成にパターンオプション、パターンのバリエーションを増やすために「オブジェクトを再配色」をそれぞれ利用します。

青海波作成手順を一気読み
  1. 【形をつくる】
    同心円グリッドツール→高さ20mm、分割線数4、円弧の分割0、「楕円形から複合パスを作成」「グリッドの塗り」にチェック
  2. 【内側にクリーム色をつける】
    アピアランスで「新規塗り」追加→青海波の色の下に追加の塗り色が来るように移動→新規塗りの黒色をクリーム色に帰る(C:5 M:5 Y:10)→塗りを選んだ状態で「効果→形状を変換→角丸長方形(オプション:高さと幅に追加0mm、半径:10mm)→クリーム色の下地が丸の中に収まる」
  3. 【パターン作成】
    「オブジェクト→パターン→作成」でパターンのプレビュー表示→レンガ(横)、レンガオフセット1/2、幅18mm、高さ5.5mmで幅を狭めて密着させる→パターン編集の重なり「左を全面へ」「下を全面へ」でパターン完成。パターンはスウォッチに自動追加される
  4. 【その他】
    パターンをクリックして、上部ツールバーにあるカラーピッカーのような丸アイコンをから、パターンの再配色ができる。再配色したパターンもスウォッチに追加される

 

Contents

青海波の基となる同心円グリッドツール

青海波のパターンを作るには、Illustratorのツールパネルから同心円グリッドツールを使って等幅の同心円をつくります。どこにあるのか迷っている方は直線ツールの下に潜り込んでいるので探しましょう。

同心円グリッドツール

同心円グリッドツール

続いて同心円のサイズや円の数を調整。サイズは幅、高さともに「20mm」、分割線数は「4」、円弧の分割は「0」に設定。さらに下部にある「楕円形から複合パスを作成」「グリッドの塗り」を選択、OKを押します。

同心円グリッドツールオプション

同心円グリッドツールオプション

すると、円の内側に4つの同心円ができました。

分割線数が4つの同心円が完成

分割線数が4つの同心円が完成

同心円と背景を塗る

青海波の基本色となる色付けにかかります。枠線は透明にして、内側の塗りをシアン80%、マゼンタ30%、イエロー15%、ブラック0%に設定。青模様のベースとなる色をつけました。

同心円のグリッドを塗る

同心円のグリッドを塗る

 

今度は青模様の内側にも薄いクリーム色をつけていきます。アピアランスパネル下部中央にある四角のロゴ「新規塗りを追加」をクリック。すると、先ほどつけた青色が黒く塗りつぶされます。これは追加した黒色の塗りが青色より上に来ているためです。そこで、アピアランスパネルで黒色の塗りを「内容」の下に来るようにドラッグしましょう。これで見た目は元に戻りました。

同心円の背景色も塗るため、アピアランスで新規塗りを追加。背景塗りにしたいのでアピアランスパネルで内容の下に塗りがくるように下へ移そう

 

続いて、新規塗りの黒色をクリーム色に変えます。シアン5%、マゼンタ5%、イエロー10%、ブラック0%に設定。

 

新規塗りで黒色に設定されていた色を変える

今度はアピアランスパネルのクリーム色にした「塗り」を選択した状態から、メニュー「効果」を選択。「形状を変換」→「角丸長方形」を選ぶと、クリーム色の背景色が現れます。形状オプションで値を追加を選択。幅と高さを「0mm」、角丸の半径を「10mm」に設定すると、円の外にはみ出ている背景色が次第に円の中に収まっていくでしょう。

背景色の塗りを同心円の形に沿う形で塗るには形状オプションを使用する

背景色の塗りを同心円の形に沿う形で塗るには形状オプションを使用する

形状オプションで幅、高さが0mm、半径を10mmに設定したらぴったりと同心円に背景が塗られた

形状オプションで幅、高さが0mm、半径を10mmに設定したらぴったりと同心円に背景が塗られた

これでパターンの元となる同心円が完成しましたが、念のため背景の塗りがはみ出ないように、ほんの少し縮小しておきましょう。

塗りを縮小させるにはパスのオフセットを使うのが便利です。塗りを選択したらメニュー「効果」からパスを選んでパスのオフセットを選択。オフセット幅を「-0.1mm」にして実行すると、塗りが内側にほんの少しだけ縮小されます。

青海波パターンの作成

今度はこの同心円を利用して青海波パターンをつくりましょう。

同心円を選択したらメニュー「オブジェクト」からパターン、作成を選択します。以下のような注意書きがでますが、気にしないで「OK」を押しましょう。

パターンの作成に移ると注意書きが出るが気にしないでOKを押す

パターンの作成に移ると注意書きが出るが気にしないでOKを押す

すると、作成した同心円を中心にパターンのプレビューができあがり、編集画面がでてきます。

パターンの編集画面

パターンの編集画面では「タイルの種類」があるので、ここから並び方を変化させることができます。

今回使用するのは「レンガ(横)」で、レンガオフセットは1/2にします。ただ、青海波のような密着感はありませんよね。そこで、幅の値を少しだけ縮めて密着させます(幅を18mm)。高さについては大胆に詰める必要があり、5.5mmにサイズを変更すると、パターンの間隔が狭くなりました。

ただ、これでは同心円の重なりが逆になってしまっています(円が上に重なっている)。そこで、パターン編集の「重なり」を「左を全面へ」「下を全面へ」に設定すると、青海波らしい重なりが完成です。

レンガ(横)のパターンを使用。幅を気持ち分縮めて密着させ、画像の半分以上が隠れるくらいの高さを設定すると青海波らしくなる

レンガ(横)のパターンを使用。幅を気持ち分縮めて密着させ、画像の半分以上が隠れるくらいの高さを設定すると青海波らしくなる

パターンを完成させたら、メニューの直下にある編集モードバーの「◯完了」を押すと、パターンはスウォッチパネルに追加されました。

編集モードバーで「◯完了」をクリック

編集モードバーで「◯完了」をクリック

青海波パターンの再配色

完成させたパターンの色を変えたいという方は「オブジェクトを再配色」を利用しましょう。

作ったパターンで長方形ツールなどを使って適当に形をつくります。このパターンをクリックすると、メニューバーの直下に丸い形のアイコンがでてきます。ここから「オブジェクトを再配色」に移ります。

「オブジェクトを再配色」では、最初に以下のような画面が出てきます。パターンに使用しているカラー(今回は2色)が出てきますが、より直感的に色を変えるには「指定」タブを「編集」タブに変えて、カラーピッカーを出す必要があります。

編集タブに切り替えたことで、カラーピッカーが登場しました。ここでのカラーモードは、RGBでもCMYKでもなくHSB「色相、彩度、明度」です。

円状にある色のポインターをつかんで変えたい色の場所へドラッグすると、自在に色を変化させることができます。

プレビューを見ながら希望の配色となったらOKを押すと、新たなパターンが自動的にスウォッチパネルに追加されます。

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。