「ハリルJ タイ撃破で初白星」の見出しに違和感

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たまには記者らしく新聞らしい話題に触れなくてはと思いながらヤフーニュースを眺めていると、たまに「これは変だ」と思う見出しに出会います。昨晩出会ったのが「ハリルJ、タイ撃破で初白星」というヤフーのトピックスでした。

格上が格下を「撃破」する?

みなさんは、この見出しの何がおかしいのかわかりますか。サッカーのハリルジャパンがタイに勝ってW杯最終予選で初白星を挙げた。この事実に揺るぎはありません。しかし、私が違和感を覚えたのは「撃破」の2文字でした。

げきは
撃破
《名・ス他》
  1. 1.
    敵をうちやぶること。

     「各個―」

  2. 2.
    撃沈・撃墜まではいかない損害を与えること。

ネットの国語辞典によるとこのような意味が書かれています。敵を打ち破るという意味では確かに間違ってはいないのですが「撃破」は文章として間違った使い方をしているのです。

60363 / Pixabay

正しい使い方は格上が格下を「下す」

本来、正しい用語の使い方は「ハリルJ、タイ下し初白星」だと私は思います。「撃破」ではなく「下す」こそ正しい表現なのです。

くだ‐す
下す・降す】
《五他》
  1. 1.
    そのものを移しおろす。
    • 地位を下げる。
      [・降] 「官位を―」

      反義語: のぼす
    • 命令・判定などを出す。
      [] 「断を―」

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    • 打ち勝って従わせる。降参させる。
      [降] 「強敵を―」

    • 体内から下に出す。

       「さなだ虫を―」

    • 低い方の場所に動かす。
      [] 「いかだを―」

      反義語: のぼす
    • 賜う。
      [] 「お言葉―・し置かれる」

  2. 2.
    []
    振りおろすようにして行う。
    • 実際にそれをする。

       「手を―」(着手する。実行する)

    • 《「書き」「読み」を受け》

      すらすらと続けてその事を終える。

ここで、サッカーにおける日本とタイの立ち位置を振り返ってみましょう。一応の目安となるFIFAランキングによると、2016年8月時点で日本は49位なのに対してタイは120位。試合の内容にケチをつける気は毛頭ありませんが、客観的な事実として日本とタイの実力差ははっきりしているといえるでしょう。

格下が格上を打ち破り、格上が格下を従わせる

一般的に「撃破」とは格下のチーム(または個人)が格上のチームを破る波乱劇を意味しています。いわゆる「ジャイアントキリング」です。これに対して、格上が格下を負かすことは「打ち勝って従わせる」というニュアンスがそのまま当てはまるでしょう。

本来格上であるはずの日本はタイを「下す」はずなのに、格下を「撃破」するのは用語として間違っているのです。日常生活で何気なく口にしている言葉ですが、知らず知らずのうちに間違った使い方をしているというのはよくあることなので気をつけましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。