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トランプ政権の誕生によって、アジアにおける米国の存在感は薄まったようだ。TPP(環太平洋連携協定)の離脱によるところが大きいが、代わりに中国の存在感が増してきたようにも感じる。その中国を言い表すキーワードとして盛んに取り上げられいるのが「一帯一路構想」と「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」だ。

「一路一帯」構想

中国による「一帯一路」構想とは、中国西部からユーラシア、地中海までを結ぶ交易路「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国南東の沿岸部からインド洋、アラビア海を経て地中海へを結ぶ「21世紀海上シルクロード」(一路)という広域のインフラ整備や交易関係を中国主導で形成していく構想。2013年から習近平国家主席が提唱し始めている。

中国が経済圏の拡大を目指す「一帯一路」構想の範囲

中国が経済圏の拡大を目指す「一帯一路」構想の範囲(日経新聞より)

一帯一路構想の範囲にある国々の中には発展途上国も含まれおり、中国はこれらの国々のインフラ(港湾、鉄道、道路、電力など)を無利子で積極的に整備しようとしている。その原資は、世界で稼ぐ貿易黒字と外貨準備となる。ただ、その見返りとして、中国は各国の港湾の使用権の要求などを求めてくることが予想される。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)

もう一つ、中国に関しては「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」というキーワードも頻出する。AIIBとは、アジアの膨大なインフラ投融資に対応するために作られた投資銀行だ。一帯一路と同様に、習近平国家主席が2013年に表明、設立された。

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アジアインフラ投資銀行の説明表

アジアインフラ投資銀行の説明表(朝日新聞より)

開業は2016年1月で、原則は「簡素」「清潔」「環境に配慮」。加盟国は開始時は57カ国だったが、2017年6月現在では80カ国(アジア46、その他34)。拠出金は約929億ドル(約10兆円)で、中国は27.5%の投票権をにぎっているため、事実上の「拒否権」を持っている。トップは金立群総裁。

最大の特徴は「環境への配慮」だろう。2017年6月に開催された年次総会では、温暖化対策事業への投融資を積極的にしていく方針を打ち出している。米国が離脱表明している「パリ協定」を推進していく牽引役として期待されているのだ。

AIIBは格付け最高位

(2017年7月18日追記)

AIIBに対する国際的な評価が気になると思うが、米格付け会社「スタンダード&プアーズ」は2017年7月18日、AIIBに対して最高位のAAAを付けたと発表した。フィッチ・レーティングス、ムーディーズといった他の格付け機関もともに「AAA」と最高位。

国際的な信用が得られたことで、AIIBは今後、債権を自ら発行して資金の調達を行う見通しだ。

日本のAIIB参加は?

AIIBの創設当初、日本は参加しない意思を表明していたが、現在は姿勢に変化も見え始めているという。

日本政府はAIIBの存在が先に述べた「一帯一路」構想を資金面でサポートするための存在になるという不信感を抱いている。朝日新聞によると、麻生財務相は「融資、審査に不安がある」と加盟に否定的だが、その一方で、自民党の二階幹事長は「遅れをとらないうちに対応したほうがいいのでは」という指摘も出ている。

金総裁もまた日本の参加を諦めていないようで「道は残っている」と発言しており、年次総会への招待状を日本に送っている(実際には参加していない)。

現状では日米が主導しているアジア開発銀行(ADB)と協調する形で融資を進めているが、AIIBの加盟国は創設50年の歴史を持つADBの67カ国を既に上回る規模となるなど、急速に規模を拡大させている。

【新聞社内定へ】2017年秋採用試験の時事問題を大予想(問題編)

2017.08.09

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中国が経済圏の拡大を目指す「一帯一路」構想の範囲

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。