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2017年の通常国会は6月16日に閉会となった。1月からの審議では、「共謀罪」法の成立をめぐる攻防や、学校法人森友学園における首相からの寄付があったとされる疑惑や、国有地の大幅な値引き問題、同じく学校法人の加計学園の獣医学部新設をめぐり「首相のご意向」があったとされる問題など、多くの疑惑が噴出した。あまり表に出てこなかった成立法案と合わせて、試験に出そうな点のみをハイライトして確認していこう。

2017年通常国会での主な出来事

2017年通常国会での主な出来事(朝日新聞より)

 

森友学園問題(2、3月)

首相夫人「名誉校長」に疑惑の目

大阪の学校法人「森友学園」が小学校建設を目的に取得した国有地が、評価額の86%に当たる約8億円もの値引きを経て売却されていたという問題。安倍首相の妻である昭恵夫人が過去に講演や名誉校長を務めており、首相サイドが大幅値引きに関わっていたのではないかと疑惑の目が向けられている。

これに対し、安倍首相は2月17日の答弁で「私や妻が(森友問題に)関係していたら首相も議員も辞める」と発言。これに火がつき、野党からは連日のように真相の追及が続いた。

当時の森友理事長(籠池泰典氏)を証人喚問

森友問題で3月23日、当時学園の理事長を務めていた籠池泰典氏が、国会で証人喚問。首相夫人からの100万円の寄付があったと証言した。

その後、森友学園は職員の勤務実態や要支援児の受け入れを偽るなどの補助金の不正受給の疑い(詐欺、補助金適正化法容疑)で、大阪地検特捜部の家宅捜索を受けた。一連の不正に絡み、補助金を交付していた大阪府、大阪市などは返還請求する方針で、告訴も検討している

南スーダンPKO「廃棄日報」見つかる(2月)

南スーダンのPKOをめぐり、防衛省が「廃棄した」と説明していた日報が、実は保管していたという問題を受けて、日報が一転公表された。PKOとは何かを知りたい方は、以下の関連記事を見てほしい。

【2017年新聞社筆記試験予想テーマ】PKO協力法25年

2017.06.24

自衛隊の宿営地がある南スーダンのジュバで、2016年7月の日報に「大統領派と反体制派による戦闘」があったされる記述が見つかった。同年10月にジャーナリストが文章の開示を請求したところ、防衛省は現地部隊などを探したものの破棄されていたという理由で不開示となりました。しかし、改めて調査をしたところ、年末ごろに日報の電子データを発見。稲田防衛大臣への報告はこの1カ月後とかなり遅れたことが問題視された。

政府は戦闘ではなく「武力衝突」と主張

憲法9条では海外での武力行使を禁じている。このため、稲田防衛相(政府見解)は以下の答弁であいまいなかわし方をして、火に油を注ぐ結果となった。

「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」

2017年度政府予算成立(3月)

一般会計の歳出が97兆4547億円(過去最高)となる2017年度の政府予算案が成立。

国の借金は筆記試験頻出

財務省の発表によると、2016年9月末時点での国の借金は1062兆5745億円(右肩上がりなので、もちろん過去最大)。「借金」は国債と借入金、政府短期証券の合計額をさし、国民1人が背負う借金は837万円となる。国の借金2000年の同時点では511兆円だったので、わずか16年で倍以上に膨れ上がっていることになる。

復興相「大震災、東北でよかった」発言で更迭(4月)

今村雅弘復興相(当時)は2017年4月、自身が所属する二階派のパーティーで、以下の発言をしたことが問題視され、即日で更迭された。

「(東日本大震災が)まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると、莫大な、甚大な額になった」

今村氏は東北の復興に関して、上記の発言よりも以前から失言を繰り返していたことは記憶に新しい。福島原発事故の自主避難者に対する住宅支援が打ち切られたことに対して「自己責任」「裁判でもやればいいじゃないか」と発言。その度に身内からは擁護の声も上がっていたが、今回は「本音が出た」という認識で、かばう声は聞かれなかった。

首相「2020年に新しい憲法施行を」(5月)

憲法施行から70年の節目となった2017年5月3日、読売新聞は東京五輪が開かれる2020年に憲法改正の施行を目標とする安倍首相のインタビューを掲載した。

2020年という期限を明示させることによって、議論を加速させたいとの狙いがあるという。憲法議論に関する詳細は別項にて紹介しているので参考にしてほしい。

就職試験に出る「憲法改正」のポイント【2017年版】

2017.07.09

加計学園問題「総理のご意向」文書(5月)

森友学園問題の熱が冷めやらぬ2017年5月、学校法人加計学園(岡山理科大)の獣医学部新設をめぐって「総理のご意向」という文章が文部科学省内に出回っていたとする報道が朝日新聞から出た。

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森友問題と構図がかぶるのは、いずれも首相(夫人含む)の「お友達」という立場の人間の働きかけによって、便宜が図られたのではないかという疑惑だ。これに関しては、文科省が国家戦略特区に認定する以前から、内閣府と今治市が協議を重ねるなど、「加計ありき」の特区なのではないかという疑惑が噴出している。

スクープは出題率が高い

今回の加計問題の「総理のご意向」文章は、朝日新聞のスクープ。今まで朝日は年金の運用損失額を筆記試験に出すなど、自社の独自ネタを試験にする傾向も見られた。現在進行形の加計問題をどのような形で試験で出すのかは不透明だが、警戒はしておいた方がよい。

天皇陛下の退位特例法が成立(6月)

2016年に天皇陛下が生前退位のご意向を示されたことにより、皇太子さまへと譲位するために一代限りと定めた退位特例法が成立した。

なぜ一代限りと限定的なのかといった疑問については、別項で詳しく説明しているので参考にしてもらいたい。

【2017年新聞社筆記試験予想テーマ】天皇陛下退位に関する議論

2017.06.03

「共謀罪」法案が中間報告で審議短縮させ成立(6月)

組織犯罪処罰法の改正案として国会で議論し、その度に廃案となってきたテロ等準備罪(いわゆる「共謀罪」)が2017年6月15日に参院で可決、成立となった。

審議では法務大臣の珍答弁や国会の会期内で成立させたい目的から、審議をすっ飛ばす「中間報告」が行われるなど、法案を成立させたい自民党の強行ぶりが目立つ形となった。

こちらも別項で詳しく解説しているため参考にしてほしい。

【2017年就活・新聞社筆記試験対策】テロ等準備罪(「共謀罪」法)成立

2017.06.27

改正公職選挙法が成立、施行

衆院小選挙区の定数を「0増6減」とする改正公職選挙法が6月に成立し、7月16日に施行された。今回の改正は2015年の国勢調査に基づいたもので、地方の6県の選挙区の定数がそれぞれ1つずつ減る。選挙区の線引きが変わるのは13都道府県だ。

定数1減となるのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6選挙区。これによって衆院選の定数は289となり、区割り変更によって比例区は4減の176となる。一票の格差を是正するための措置で、2020年の人口見込みでは最大格差が2倍未満の1.999倍となった。

衆院選小選挙区の定数配分見直し表

衆院選小選挙区の定数配分見直し表(朝日新聞より)

アダムズ方式ってなんだ?

人口に応じて議員定数を配分することで、議員1人あたりの有権者数で都市と地方の格差を是正する選挙方式。一票の格差を是正する手段として有力視されているが、導入は2022年以降に先送りされた。アダムズ方式によって選挙区が大きく変更されることが予想されるため、選挙事務などに大きな混乱が生じる可能性がある。

まとめ:政府提出法案の95%が成立

今回の通常国会で政府が提出した法案は全部で66本。このうち、63本が成立した。成立率は95.5%で、自民が政権復帰した後では14年の97.5%に続いて2番目に高い数字だ。

2017年の通常国会で成立、不成立した主な法案

2017年の通常国会で成立、不成立した主な法案(朝日新聞より)

今回紹介した2017年度予算、「共謀罪」法、天皇陛下対位法、公職選挙法のほかにも、ネット時代の契約ルールに合わせた改正民法、性犯罪の厳罰化を盛り込んだ改正刑法、空き部屋を「民泊」として開放する住宅宿泊事業法も成立している。

一方、不成立となったのは、選挙で男女の候補者数を均等にする努力要求を盛り込んだ「政治分野の男女共同参画推進法案」、2016年夏に発生した相模原市の障害者殺傷事件を踏まえた措置入院制度を強化した「精神保険福祉法改正案」、高収入専門職を労働時間規制から除外(いわゆるホワイトカラー・エグゼンプション)する「労働基準法改正案」など。

これらは新聞社の筆記試験として出題される可能性が非常に高い。今回掲載した概要を覚えればかなりの範囲で対応できると思うのでしっかり覚えてほしい。例えば「2017年の通常国会で成立した法案として正しくないのはどれか」という形で労働基準法改正案などを混ぜてくる可能性が考えられる。

何度も繰り返すが、新聞社など難易度の高い就職筆記試験では、単語だけ知っていても解けない問題が多い。出題者が問題を出す意図を汲み取りながら「これは出題されそうだ」と警戒しながら勉強するのが大事である。

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2017年通常国会での主な出来事

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新聞社の記者をしています。仲間との起業を夢見て、これまでに学んできたノウハウを記しておきます。現在、主に結婚新聞や企業・団体向けの広報紙を制作していますが「こんな紙面をつくってほしい」とのご要望にも随時お応えしています。